【カスタムサーフボード】7’2” Semi-Gun。50年以上受け継がれたデザインを、次の世代へ。

Shape

Oct 4, 2026

MEET THE RIDER

今回の7’2” Semi-Gunをシェイプしたのは、T-REEFでシェイプを学び始めた信之助。2025年11月、初めてT-REEF Shape Workshopを受講しました。

彼が作りたいと選んだのは、私が1972年にDick Brewer(ディック・ブルーワー)先生にシェイプしていただいた7’2” Semi-Gunをベースにした一本でした。

50年以上前に作られたこのボードは、今も私の手元に残っています。

私自身が実際に乗り、その性能とデザインを身体で経験してきたボードです。

今回の目的は、
なぜ、このデザインが波の中で機能するのか
を理解すること。

その理由を一つひとつ理解しながら、信之助自身の手でフォームを削り、一本のサーフボードとして形にしていく。

Smooth Acceleration(滑らかな加速) → Hold(波を捉える) → Natural Line(自然なライン)

という流れをテーマに、クラシックなSemi-Gunを現代のフォームの上にもう一度形にしました。


WHAT WE BUILT

Spec

Details

Length

7’2”

Width

18 1/2”

Thickness

3 1/8”

Nose Wide

12 1/2”

Tail Wide

11"

Tail

Baby Diamond Tail

Rail / Foil

Down Rail / Classic Semi-Gun Foil

Fin Setup

Single Fin / Fixed Fin


THE DESIGN STORY

3 1/8”の厚みを、必要な場所に残すClassic Semi-Gun Foil

このボードを特徴づける要素の一つが、Classic Semi-Gun Foil(クラシックな厚みの配分)です。

ノーズにはしっかりと厚みを残し、Eagle Nose(イーグルノーズ)からセンターにかけてボリュームを維持。そこからテールへ向かって徐々に薄くしていきます。

前方から中央にかけて残したボリュームは、パドルやテイクオフを助け、波の中での安定性につながります。

一方、テールに向かってフォイルを薄くすることで、後ろ足の下に余分なボリュームを残さず、ターン時のコントロール性を高めています。

3 1/8”という数字だけを見ると、かなり厚みのあるボードに見えます。
しかし、大切なのは単純な「厚さ」ではありません。
ボード全体のどこに、どれだけのボリュームを配置するか。

必要な場所には浮力を残し、コントロールが必要な場所では薄くする。

このボリュームの配分が、Semi-Gunとしての安定性とコントロールを支えています。

Eagle Nose × Flat Deck。前半のボリュームを走りにつなげる

ノーズからセンターにかけては、厚みを持たせたEagle Nose(イーグルノーズ)と、比較的フラットなDeck(デッキ)で構成しています。

このFlat Deck / Dry Deckの考え方によって、ボード前半には十分なボリュームを残しています。

これは、単に浮力を増やすためではなく、
テイクオフの瞬間にボードを安定させ、
波から受けた力をボード全体の走りへ自然につなげるためです。

そして、センターからテールへ向かって徐々にボリュームを落としていく。

前半には、走り出すためのボリューム。
後半には、コントロールするための薄さ。

この前後のバランスが、今回の7’2” Semi-Gunのベースになっています。

Soft V → Flat → Slide V。水を受け、走らせ、リリースする

今回のボトム形状は、
Soft V → Flat → Slide V
という構成です。

ノーズエリアのSoft V(緩やかなV字形状)で水を柔らかく受け、センターのFlat(平らな面)へつなげることで、ボードをスムーズに前へ走らせます。

そしてテール側ではSlide Vへ移行。

ボードの下を流れてきた水をテールへ向かって運び、最後は左右へスムーズにRelease(水を抜く)していきます。

サーフボードのボトムは、単なる「形」ではありません。
水をどう受け、どう運び、どこから抜いていくのか。

Catch(水を捉える) → Carry(水を運ぶ) → Release(水を抜く)

というWater Flow(水の流れ)を考えることが、ボードの自然な加速と動きにつながります。

現在のT-REEFのシェイプで大切にしているWater Flowという考え方も、こうしたデザインの積み重ねから生まれています。

Down Rail × Baby Diamond Tailで、HoldからReleaseへ

Semi-Gunに必要なのは、スピードのある状況でも波のフェイスをしっかりと捉えながら、ボードが過度に引っ掛からないこと。

そこで今回の7’2”では、Down Rail(下向きに落としたレール形状)とBaby Diamond Tail(小さなダイヤモンドテール)を組み合わせています。

Down Railによってレールを波のフェイスへ自然に入れ、必要なHold(ホールド感)を作る。

Baby Diamond Tailは、滑らかなテールラインを保ちながらセンター付近に明確なポイントを作ることで、ホールドを保ちつつターンへ入るきっかけを作ります。

特にボトムターンでは、
Rail Hold(波を捉える) → Direction(方向を変える) → Release(水を抜く)
という一連の動きを自然につなげることが重要です。

今回もテールだけ、レールだけを独立して考えているわけではありません。

Tail Outline(テールの輪郭)× Tail Foil(テールの厚み)× Down Rail(ダウンレール)× Bottom(ボトム形状)× Rocker(反り)

すべてを一つのシステムとして設計しています。

緩やかなRocker × Single Finで、大きなラインを描く

Rocker(ボード全体の反り)は、急激なカーブではなく、全体を通して緩やかにつなげています。Semi-Gunだからといって、単純に強いロッカーを与えれば良いわけではありません。

このボードでは、テイクオフで波の力を受けて自然に走り出し、そのままボトムへ入り、スムーズにターンへつながることを重視しています。

そしてテールエリアではフォイルを薄くすることで、ロッカーによるボードの動きを妨げないようにしています。

ロッカーがボードの進むラインを作り、
フォイルがサーファーの動きに対する反応を調整する。

そこに組み合わせるのがSingle Fin(シングルフィン)です。

この7’2”が目指しているのは、細かくボードを動かし続けるサーフィンではありません。

波のフェイスにラインを作り、そのラインを長く維持する。
ボード全体で波の力を受けながら、自然に方向を変えていく。

ボードを小さく動かすのではなく、大きなラインを描く。

そのためのクラシックなSemi-Gunデザインです。

50年以上前のデザインを、現代の一本へ

この7’2”で求めているフィーリングは、
Glide(滑走) → Acceleration(加速) → Hold(波を捉える) → Natural Motion(自然な動き)です。

テイクオフではスムーズに走り出し、波の力を受けて自然に加速する。
ボトムへ降りれば、Down Railが波のフェイスを捉える。

そしてボトムターンでは、サーファーが無理にボードを動かすのではなく、ボードが自然に次のラインへつながっていく。

これは、Single Fin、Down Rail、Baby Diamond Tail、Foil、Bottom、Rockerのどれか一つによって生まれる感覚ではありません。

すべての要素がつながった結果として生まれるNatural Motion(自然な動き)です。

私自身、1972年にDick Brewer先生がシェイプした7’2”に乗ることで、この感覚を身体で知りました。

ただ、このボードについて一つ重要なのは、Brewer先生からこの7’2”のシェイプを習ったわけではない、ということです。

これは、当時私がBrewer先生にオーダーし、シェイプしていただいた一本です。

そこで今回、このデザインを信之助と再現するために、50年以上手元に残してきたオリジナルの7’2”をあらためて見直し、アウトラインを読み取り、ゼロからシェイプ用のテンプレートを作りました。

完成した一本を見て真似するだけではなく、そのデザインをもう一度シェイプできる形にする。それも、今回のプロセスの重要な一部でした。

そして、そのテンプレートを使って実際にフォームを削ったのが、シェイパーを目指している信之助です。

テンプレートを渡すことは、単に道具を一つ渡すことではありません。
そこには、これからシェイプを学び続けていく信之助に、このデザインを自分の手で理解してほしいという意味も込めています。

その意味で、今回作ったテンプレートと7’2”は、信之助がT-REEFでシェイプを学んでいる一つの証でもあります。

そして何より、このボードで伝えたいのは、
50年以上前のデザインを、次の世代が自分の手で理解し、経験するための一本。
ということです。

ただ形を残すのではなく、自分で削り、実際に海で乗り、そのデザインがなぜ機能するのかを身体で理解していく。

この7’2”が、信之助にとってその経験の始まりになればと思っています。

Ride on Shinnosuke!


WANT TO ORDER YOUR BOARD?

T-REEF Surfboard のボードは、すべてフルハンドシェイプ。

あなたの
✔️ サーフスタイル
✔️ 体格
✔️ 目指すライディング
に合わせて、ゼロから設計します。

→ カスタムボードについてはこちら