【カスタムショートボード】6’6” Squash Tail。17年間、5本目のカスタムボード。Water Flow & Natural Motion

Shape

Oct 25, 2026

MEET THE RIDER

今回ご紹介するのは、ニューカレドニアでのサーフトリップをきっかけに知り合ったサーファーのためにシェイプした、6’6” Squash Tail(スカッシュテール)です。

身長175cm、体重70kg。
彼から初めてカスタムボードのオーダーをいただいたのは、2009年のことでした。
それから17年間、今回で5本目のT-REEFカスタムボードになります。

これまで彼のためにシェイプしてきたのは、すべて5’8”〜5’10”のショートボード。

  • 2009年 — 5’10” / Squash Tail / Quad Fin

  • 2010年 — 5’8” / Squash Tail / Tri Fin

  • 2012年 — 5’10” / Diamond Tail / Tri Fin

  • 2016年 — 5’10” / Round Pin Tail / Single Fin

そして2026年、5本目として求められたのは、

「浮力があり、小波でも楽しめて、自然な滑走感を味わえるボード」でした。

同じサーファーだからといって、同じボードを作り続けるわけではありません。
経験や身体、乗る波、そしてサーフィンに求めるものは、時間とともに変化していきます。

私は、カスタムボードもサーファーと一緒に変化していくものだと考えています。

今回の6’6”は、そんな17年間の関係から生まれた一本です。

WHAT WE BUILT

スペック

詳細

長さ

6’6”

幅

20 7/8”

厚さ

2 5/8”

ノーズ幅

15 1/2”

テール幅

15 3/8”

テール

Squash Tail(スカッシュテール)

デッキ

Round Wet Deck(丸みを持たせたデッキ形状)

レール

Down Rail(ダウンレール)

フォイル

Fine Foil(厚みを繊細に配分した形状)

フィン

5 Plugs Multi Fin(5プラグ・マルチフィン)

ボトム

Nose → Flat(約2/3)→ Slide V

THE DESIGN STORY

6’6”の長さで、小波の中にGlide(滑走感)を作る

今回求められたのは、小波でも余裕を持って波を捉え、力の弱いセクションでも自然に走れるボードでした。

そこで、これまでの5’8”〜5’10”から長さを6’6”へ伸ばし、幅を20 7/8”としました。
さらに、ノーズ幅15 1/2”、テール幅15 3/8”と、前後にも十分な面積を残しています。

長さを利用してGlide(滑走感)を生み出し、幅によってPlaning Area(滑走面積)を確保する。

ただし、単純にボードを大きく、厚くしたわけではありません。

私が大切にしたのは、浮力と滑走性能を高めながら、サーファーと波との一体感を失わないこと。

波の力を無理に引き出そうとするのではなく、ボードが自然にその力を受け取り、前へ進んでいく。

そのための6’6”という長さです。

Round Wet Deck × Down Railで、浮力を残しながら水面を捉える

今回の6’6”では、Round Wet Deck(丸みを持たせたデッキ形状)とDown Rail(ダウンレール)を組み合わせています。

必要なボリューム(体積)はボードのセンター付近に残し、丸みのあるデッキからレールへ滑らかにつなげました。

さらにFine Foil(厚みの繊細な配分)によって、ノーズからテールまでのボリュームを調整しています。

私が目指したのは、

Float without losing Feel.
(浮力を持たせながら、波を感じる感覚を失わないこと。)

このバランスです。パドルでは十分に浮く。
小波でも自然に滑走する。
そして、サーファーがレールを入れた時には、しっかりと水面を捉えて反応する。

浮力が増えても、ボードとの一体感を失わない。

ここが、今回の6’6”で大切にした部分です。

Water Flow:ボトムとレール、両方の水の流れを考える

今回のボトム形状は、

Nose → Flat → Slide V
(ノーズ → フラット → スライドV)

という構成です。

ノーズから入った水を、ボードのおよそ2/3まで続くFlat(平らな面)で受け、6’6”の長さを利用して滑走へとつなげます。

そして後方では、Slide V(V字状のボトム形状)によって水を左右へ導き、テールから自然にRelease(水を抜く)していきます。

Catch(水を捉える) → Carry(水を運ぶ) → Glide(滑走する) → Release(水を抜く)

これが、ボトム側の水の流れです。

しかし、私が考えるWater Flow(水流設計)は、ボトムだけではありません。

サーファーがレールを波面に入れた時、水はレールの周囲にも流れます。

だからこそ、デッキ側もRound Wet DeckからDown Railへ滑らかにつなぎ、水がレールに沿ってテールまで自然に流れることを意識しています。

Bottom Water Flow(ボトム側の水流)
+ Rail Water Flow(レール周辺の水流)

ボード全体で水を受け、流し、最後に抜いていく。

私は、ノーズからテールまでの水の流れをひとつのシステムとして考えています。

Squash Tail × Multi Fin:小波での安定性と、選べる乗り味

テールには、15 3/8”の幅を持つSquash Tail(スカッシュテール)を採用しました。

幅を残すことで、小波でも十分な滑走面積を確保しながら、ターンではテールの角を使って水を捉えることができます。

そして、フィンシステムは5 Plugs Multi Fin(5プラグ・マルチフィン)。

波のコンディションや求める乗り味に応じて、フィンの組み合わせを変えられる仕様です。

これまで17年間、彼はQuad(4フィン)、Tri(3フィン)、Single(1フィン)と、異なるフィンシステムのボードに乗ってきました。

だからこそ、今回の5本目では、ひとつのセッティングに限定するのではなく、選択できる自由を残しました。

ボードの基本的なデザインを保ちながら、フィンによって乗り味の違いを楽しめる。

それも、今回のカスタムデザインの一部です。

SAME SURFER. NEW DESIGN.

2009年から2026年まで、17年間。
同じサーファーのためにシェイプした5本のボードは、すべて異なるデザインです。

最初の4本は、5’8”〜5’10”のショートボード。
そして今回の5本目は、6’6” Squash Tail。

目指したのは、単純に「小波でも走るボード」ではなく、
十分な浮力で波を捉え、長さと幅によって自然に滑走する。
レールが波面を捉え、テールから水が抜けていく。

そのすべてが、ひとつの流れとしてつながっていく。

Float(浮力) → Glide(滑走) → Response(反応) → Natural Motion(自然な動き)

サーファーが無理にボードを動かすのではなく、波と水の流れを利用して自然に動いていく。

それが、私の考えるNatural Motionです。

私が思うカスタムサーフボードとは、過去に合っていたボードを繰り返し作ることではないと思っています。そのサーファーが、今どんな波に乗り、何を感じ、これからどんなサーフィンを楽しみたいのか。その変化を理解し、次の一本に反映していくこと。

同じサーファーでも、必要なボードは変わっていく。

今回の6’6”は、17年間続いてきた彼とのサーフボードづくりの、新しい一章です。

浮力を増やし、より自然な滑走へ。それでも、波との一体感は変わらない。
サーフボードは、単なるフォームと樹脂の塊ではありません。
そこには、サーファーが歩んできた時間、積み重ねてきた経験、そしてこれからのサーフィンが映し出されています。

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